仕事をしていると雑談の中でよく聞かれることの一つに
「リフォームとリノベーションの違いって何ですか?」というのがあります。
これをご覧になっている皆さんもその違いはイマイチつかみ切れていないのではないでしょうか。
今日はその違い、そしてリフォームって何なの?リノベーションって何なの?というところをプロの視点も入れながら明らかにしていきたいと思います。
ただし、20年近く業界に染まっている私の超主観的な意見になりますので、その部分はご留意くださいね。
それでは早速行ってみましょう!
そもそもリフォームとリノベーションって何が違うの?
結論から申し上げますと、「リフォーム」と「リノベーション」明確な定義の違いはありません。
要するにどっちを使っても意味は大きくは違わないよということです。
なので、私は「どっちでもいいじゃん」と思っています。
ただそう言ってしまうと身もふたもないので「いやリノベーションはリフォームとは違う!」と言っている人たちもいます。主ににリノベーション関係団体とリノベという単語を社名に使っている会社で、長年の広報活動により違うという意味づけに成功しています。
リフォームとリノベーションは違うという人たちの見解
一番よく聞くのは下記内容
リフォームは「老朽化した建物を建築当初の性能に戻すこと」を指し、元に戻すための修復の意味合いが強い。古くなったキッチンを新しいものに変えることや、汚れた壁紙を張り替えるなどの小規模な工事は「リフォーム」に分類される。
一方リノベーションは、修復だけでなく「用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりする」行為も含むため、より良く作り替えるという目的が含まれている。工事の規模も、間取りの変更を伴うような大規模なものを指すことが多い。
wikipedia
っていう感じです。
皆さんも、もしかしたら聞いたことがあるかもしれないくらい有名な説明です。
どっちが先かわかりませんが、多くのリノベ会社の説明にもこのwikiに掲載されている文章がよく使われています。
リノベーションっていつから使われるようになった?
ここでリノベーションって言葉っていつから出てきた?ということに対してちょっと深堀してみましょう。
現在リノベ団体で最も古いと思われるリノベーション協議会 (旧 リノベーション住宅推進協議会)が設立されたのが2009年。
ここのコラムには1995年くらいから使用されるようになったんじゃないか。というふうに書かれていますが、私が学生をしていた2000年頃にはリノベーションという言葉はほとんど聞きませんでした。
当時は家を大改造してバージョンアップすることを全面リフォームとかスケルトンリフォームと言っていました。
そして、2000年代に一躍リフォームというワードを浸透させたのが
「大改造!劇的ビフォーアフター」というテレビ番組ですね。
こちらが2002年にスタートします。
世間でリフォームへの認知が浸透するにつれ同じく2000年代に流行りだしたのが「悪質リフォーム」で2006~2008年頃にピークを迎えます。
ここからは完全に私の想像ですが、このリフォームの流行と悪質リフォームの台頭でリフォームの悪印象を払拭するために全く違くてイケてる言葉に変えちゃおう。
「そうだ!リノベーションにしよう!」という流れが業界的にあったのではないかと思っています。
前出の団体設立も2009年ですし時期的に符合します。
なのでおそらく00年代中盤から後半くらいにかけて言葉の広報活動が始まり、2010年代リノベという言葉が市民権を得ていったのではないかと考えています。
まとめと一言(結論)
そもそも英語で「reform」というと家のことではなく服とかジュエリーとかのことで、家の改修をする場合は「renovation」の方が適切です。
現在は、リノベの意味についてはここでご紹介した認識が浸透していますし本来はこちらの表現の方が適切かもしれません。
ただ、リフォームの意味を修繕に限定してしまうのは使いづらいし、もともと日本独特のワードなんだから両方使えばいいかなと思っています。
と言う訳で結果「そんなに違わないからどっちでもいいじゃん」っていうとこですね。
コメント